ボリンジャーバンドというテクニカル指標をご存知ですか？
簡単に言うと、ボリンジャーバンドは統計学を応用したもので、価格の変動幅を視覚的に捉えることができるため、相場の判断を一目で行える非常に便利なツールです。この指標は信頼性が高く、多くの投資家に愛用されており、テクニカル分析の中でも非常に重要な位置を占めています。
ボリンジャーバンドの魅力は、誰でも簡単に利用できる点です。基本を理解すれば、初心者でも活用できるため、株式投資を始めたばかりの方にも人気があります。
今回の記事では、ボリンジャーバンドの基本的な仕組みや、その活用法について詳しく解説します。ボリンジャーバンドの幅が広がったり狭まったりする動きから、相場の過熱感やトレンドの強さを把握し、売買のタイミングを見極めることが可能です。また、標準偏差という概念を活用して、相場のレンジを予測するため、価格の反発やブレイクアウトのシグナルを捉えやすいという特徴もあります。
ボリンジャーバンドを正しく理解し、日々の投資に活用してみましょう！
ボリンジャーバンドって何？
引用元: （日本取引所グループ）
ボリンジャーバンドは、株価が移動平均に対して「乖離（離れる）」と「回帰（近づく）」を繰り返す性質を活かし、相場の動きを予測するテクニカル指標です。
この指標は、標準偏差を用いることで、ボックス相場（株価の上下が激しい相場）とトレンド相場（一定方向に進む相場）の両方で活用されます。主に株価の勢いの変化や、反転のタイミングを見極めるための指標として使われます。
ボリンジャーバンドは、±1σ（シグマ）、±2σ、±3σといった標準偏差のラインで表示され、それぞれが株価の値動きがどの範囲内に収まる確率を示しています。±1σの範囲内に収まる確率は約68%、±2σでは約95%、±3σでは約99%とされています。
例えば、株価が±2σのラインに達した場合、その範囲内に留まる確率が高いため、トレーダーはこのラインを意識して売買判断を行うことが多いです。
また、ボリンジャーバンドはボラティリティ（価格の変動幅）の指標としても有効です。バンドの幅が広がるとボラティリティが高い相場であることを示し、逆にバンドが狭まるとボラティリティが低い相場であることを示します。
これにより、相場の変動範囲が視覚的に把握でき、売買のタイミングを測る上で大いに役立つ指標です。
このように、ボリンジャーバンドは価格変動の予測や、反転のポイントを見極めるために、多くのトレーダーに支持されている有用なテクニカル分析手法です。
ボリンジャーバンドの特徴
ボリンジャーバンドの大きな特徴は、統計学、特に標準偏差の概念を活用している点です。
株式投資において、「安く買って、高く売る」、「高く売って、安く買い戻す」という基本的な戦略がよく使われますが、問題はその時点の株価が本当に割安なのか、割高なのかを見極めることが難しいという点です。
たとえば、株価が大幅に下がり、安く見えたとしても、購入後にさらに下落するリスクもあります。
ボリンジャーバンドは、過去の株価の平均値を基に、現在の株価がどれだけその平均から乖離しているかを標準偏差で測定し、統計的に適正価格を判断するためのツールです。
具体的には、過去の価格推移とその平均値を基に、株価がどれくらい離れたら（乖離したら）価格が反転するか、または続くかを確率的に示します。
これにより、現在の相場が過剰に買われているのか、売られすぎているのかを一目で判断しやすくなります。
ボリンジャーバンドは、標準偏差という難しそうな概念を使っているため、初心者には複雑に感じるかもしれませんが、実際のチャート上で視覚的に確認できるため、株式投資だけでなく、FXなど他の金融商品でも広く使われています。
ボリンジャーバンドの活用とメリット・デメリット
ボリンジャーバンドは、逆張り手法で活用されることが一般的です。たとえば、市場が-1σから-3σに近づいたときは「買い」のサインとされ、反対に市場が+1σから+3σに近づいたときは「売り」のサインとして使われます。（ちなみに、逆張りとは、株価が下落しているときに買い、上昇しているときに売る手法です。）
このように、ボリンジャーバンドを利用すれば、視覚的に市場の状況を簡単に把握できるのがメリットです。しかし、デメリットも存在します。それは、株価が必ずしもボリンジャーバンド内に収まるわけではないという点です。
たとえば、長い間バンドが横ばいで推移していた場合、その後、株価が急に大きく動き始め、+1σや+2σを超えたままさらに上昇することがあります。これは、「ブレイクアウト」と呼ばれる現象で、横ばいの相場がエネルギーを蓄え、その後、一気に動き出すことが原因です。そのため、株価が+3σを超える可能性もあります。
このような動きは「バンドウォーク」と呼ばれ、株価が±2σのラインに沿って強い上昇や下落を伴うことがあります。したがって、σ内に収まる確率に過信すると、誤った株価予測につながることもあります。
多くのプロトレーダーは、他のテクニカル指標と組み合わせて使用することで、このような弱点を補っています。なお、当サイトの監修者である相場師朗先生の手法を用いれば、ボリンジャーバンドを使わずとも利益を得ることが可能ですが、この指標を知っておくことは大切です。
まとめ
ボリンジャーバンドは、統計学の標準偏差を利用して、株価の変動幅やトレンドの強さを視覚的に捉えることができる便利なテクニカル指標です。
この指標は、逆張りの際に特に役立ち、±1σや±2σといったラインを基準に売買のタイミングを判断することが一般的です。
ただし、ボリンジャーバンド内に株価が必ずしも収まるとは限らず、バンドを超えた動き（ブレイクアウト）が発生することもあるため、過信は禁物です。
多くのプロトレーダーは、他のテクニカル指標と併用して使うことで、精度を高めています。
